家族手当を支給する場合の注意点について
こんにちは。
はるか社労士事務所の代表の益永です。
今回は、家族手当を支給する場合の
注意点についてお伝えします。
「家族手当」や「扶養手当」あるいは
「子ども手当」などの手当名で、
扶養する家族の人数等に応じて、
手当を支給されている会社は多いです。
会社としては、扶養家族を養う社員を
想って支給されている手当ですが、
給与規程や賃金規程などを拝見すると、
このままだと後々トラブルになりそうな
ルールで運用されているケースも多いです。
社員とトラブルになる前に、事前対応として
これからお伝えするポイントはおさえて
ルールを設けられることをおすすめします。
扶養家族の定義
まず最初は扶養家族の定義についてです。
一般的に扶養家族と言われると、
①所得税法上の扶養親族
②健康保険上の被扶養者
の大きく2つに分かれます。
この点をはっきりしておかないと
扶養家族の解釈で社員とトラブルに
つながる可能性が出てきます。
①と②の違いについては、
ここでは割愛しますが、
個人的におすすめなのは、
②健康保険上の被扶養者です。
理由は、健康保険上の被扶養者
であれば保険証(被扶養者証)
の発行手続きがセットなので、
例えば、
①お子様がお生まれになって
保険証を発行するときに
家族手当を増額する。
②お子様が就職等で被扶養者から
外れるために保険証を返却する
ときに家族手当を減額する。
といった健康保険の手続きと
セットで家族手当も変更する
という流れができるので、
家族手当の増額・減額の変更漏れ
の防止にもつながるからです。
<扶養家族の範囲>
一般的には、私の経験上は、
「配偶者と子ども」が対象と
いったケースが一番多いです。
ある会社では、配偶者を対象外とし、
子どもだけ金額を増額し、
名称も家族手当からこども手当
に変更するルールに変更された
ケースもありました。
扶養家族の範囲が明確でないと
扶養している両親は?などの
解釈が生まれてしまうため、
扶養家族の範囲については、
明確にルールを定めておきましょう。
<扶養家族の人数の上限>
家族手当の人数についても
上限を設けるかどうか、
事前にしっかり決めましょう。
私の経験上ですと、
「配偶者と子ども3人まで」
といったケースが一番多いです。
ここもはっきり明確にして
おかないと、
YouTubeに出てくるような
大家族の場合は、家族手当が
とんでもない金額になります。
<扶養家族の年齢制限>
ここもはっきりしておかないと
トラブルになります。
配偶者の年齢制限は経験上
一度もないですが、
子どもの年齢について、
制限を設けるのであれば
しっかりルール化しましょう。
私の経験上ですと、
「22歳または大学卒業までとする」
といった大学卒業までを基準として
年齢制限をされるケースが多いです。
<扶養家族の手当の改定時期>
ここは一番見落としがちです。
扶養家族の人数に変更があったとき
いつから家族手当の金額が変更に
なるのか?
きちんと説明できないと、
社員の不信感にもつながって
しまいます。
例えば、
「扶養家族に変更のあった日の
属する月分から変更する」
などいつから家族手当が変更
になるか、しっかりルール化
しておきましょう。
<まとめ>
「家族手当は、扶養家族の人数に応じて
5,000円/1人を支給する。」
としか書かれていない就業規則を
拝見することもあります。
会社が社員のためを想って
支給している手当のことで、
社員と揉めるのは悲しいです。
社員とのトラブルを未然に防ぐ
ためにも、今回お伝えした点を
是非、見直してみてください。