従業員をはじめて雇用する場合の労務管理に関するお悩み解決事例

■ご相談内容

約2年前に個人事業主として
訪問リハビリマッサージを
メインで開業しました。

事業が順調で、この度、
従業員をはじめて雇入れる
ことにしました。

労働条件としては、

・9:00-18:00(休憩1:00)
・完全週休2日制(土・日)
 その他(年間115日)

を考えています。

労務管理として、どういった
ことを抑えておけば良いで
しょうか?

■ご回答

はじめて従業員を雇入れる
場合には、下記の点を
おさえておきましょう。

①適用事業報告の提出

②労働保険(労災・雇用)
 の設立手続

③労働条件通知書又は
 雇用契約書の作成

④正しい勤怠管理と
 給与計算

⑤健康診断の実施

⑥36協定届の作成・届出

まず、①についてですが

業種を問わず、労働者を
使用することになった場合

・適用事業報告

という書類を作成して、
管轄の労基署へ提出が
必要となります。

事業所の情報や男性・女性
の人数など、紙1枚の簡単
な書類です。

建設業などでは、元請さん
から提出を求められる
ケースもあります。

②についてですが、

はじめて労働者の方を
雇入れた際に、労災保険
への加入が必要です。

手続きとしては、原則、
事業所を管轄する労基署に

・保険関係成立届
・概算保険料申告書

という書類を提出します。

※建設業の場合は、労基署
 とハローワークへそれぞれ
 提出する場合があります。

また、今回のケースのように
雇用保険の加入要件を満たす
場合は、

雇用保険の設立と加入手続き
も必要となります。

手続きとしては、原則、
事業所を管轄するハロー
ワーク(以下HWに

・雇用保険適用事業所設置届
・雇用保険被保険者資格取得届

を提出します。

③についてですが、

雇入れ時には、原則「書面※」
にて、労働条件を従業員に
通知する必要がございます。

※平成31年4月から労働者が
 希望した場合、FAX、メール
 SNS等も原則OKです。

労働条件を口約束だけで交わして
しまうと労務トラブルの原因に
なるリスクが高まります。

後で言った言わないにならない
ように、しっかり作成して
おきましょう。

④についてですが、

正しい勤怠管理と給与計算
は重要です。

特に従業員の方々が気にする
ところですので、しっかり
行いましょう。

今から導入されるのであれば

・クラウド勤怠ソフト
・クラウド給与計算ソフト

がおすすめです。

さらに言いますと、

クラウド勤怠ソフトで集計
したデータをボタン一つで
クラウド給与と連携できる

というところまでシステム
で対応できるようにされた
ほうが良いです。

当事務所では、

・クラウド勤怠ソフト
 ※キングオブタイム

・クラウド給与ソフト
 ※マネーフォワード給与

を導入して、給与計算も
ボタンひとつで集計し、

後は臨時の手当があれば
追加するだけで給与計算
が完了するため、

時間もまったくかからず
とにかく楽です。

そのためには、複雑な
給与体系にしないように

なるべくシンプルな制度
を心がけるといいですよ。

⑤についてですが、

正社員※の場合、まずは
雇入れ時の健康診断を
実施しましょう。

※正社員の週の労働時間
 の3/4以上の方も対象

できれば、入社前に受診
してもらったほうが良い
ですが、

内定から入社まで期日が
短い場合は、入社後に
速やかに受診しましょう。

また、年に1回は健康
診断を実施する義務が
ありますので、

こちらも忘れないように
しましょう。

毎年実施する月を決めて
スケジューリングされた
ほうがよいです。

なお、どちらの健康診断
もそうですが、

・健康診断の受診費用は
 会社が支払う

・健康診断を受けるための
 時間については支払う
 義務はない

という点をおさえて
おきましょう。

ただし、可能であれば
定期健康診断については、

所定労働時間内で受診
してもらい、

その分の給与も支払って
あげることをご検討ください。

⑥についてですが、

原則、法定労働時間の

・1日8時間
・週40時間

を1分でも超える可能性が
ある場合には、

・時間外労働・休日に関する
 協定届(36協定届)

を労基署に届出する必要が
ございます。

法定労働時間を超えることが
100%ないのであれば、
届出不要ですが、
 
ほとんどの事業所では、
可能性があるかと思います。

しっかり届出しておきましょう。

また、毎年提出する書類のため
更新忘れの事業所も多いです。

しっかり年間スケジュールに
組み込んで、忘れないように
注意しましょう。

■最後に

今回は、細かいところまでは
お話しできませんでしたが、

・法定労働時間を超えた
 契約をしている

・割増賃金の計算方法が
 間違っている

などの事案はとても多いです。

労働時間と賃金に関する
ところは注意してください。
 
 
当事務所では、最初の仕組み
づくりだけ手伝ってください

といったご相談も大歓迎です。

お一人で悩まずに是非お気軽に
ご相談ください。

■お客様情報

医療業 1~50人規模