法定労働時間を守れていない企業の解決事例
■ご相談内容
現在、以下の労働条件で社員に勤務して
もらっていますが、法律上問題ないで
しょうか?
所定労働時間は、以下の2パターン
①6時00分~17時30分(休憩120分)
⇒ 実働9時間30分
②8時30分~17時30分(休憩120分)
⇒ 実働7時間00分
休日は、
・日曜日と隔週土曜日、夏季、年末年始
■問題点
労基法上、法定労働時間(原則:1日8時間・
週40時間)を守る必要があります。
今回のケースですと、どちらも違反して
しまいます。
①6時00分~17時30分(休憩120分)
実働9時間30分
⇒ 1日8時間の法定労働時間を超えてしまう。
②隔週土曜日ですと、週1回日曜日だけ休みの
週があるため、すべて1日実働7時間だと
しても、6日間で週42時間
⇒ 週40時間の法定労働時間を超えてしまう。
■解決方法
法定労働時間を守るための方法はいくつか
ございますが、
今回は「1か月単位の変形労働時間制」で
解決しました。
現在の労働条件ですと、1日8時間、週40時間
の法定労働時間を守ることができませんが、
「1か月単位の変形労働時間制」を活用すれば、
①1日8時間を超えるシフトがあってもOK
②月の平均で週40時間を守ればOK
となります。
②月の平均で週40時間を守るためには、
・暦日31日(1・3・5・7・8・10・12月)
⇒「177時間」以内
・暦日30日(4・6・9・11月)
⇒「171時間」以内
・暦日29日(2月閏年)
⇒「165時間」以内
・暦日28日(2月閏年以外)
⇒「160時間」以内
※月の平均で週40時間を守る時間は
「暦日数×週40時間÷7日」で計算できます。
今回は、就業規則に1か月単位の変形労働時間制
のルールを設けて、
①6時00分~17時30分(休憩120分)
⇒ 実働9時間30分
②8時30分~17時30分(休憩120分)
⇒ 実働7時間00分
の2パターンのシフトを組み合わせて、
月平均で週40時間を守れるように、
毎月のシフトをつくってもらうことで、
法定労働時間を守ることができました。
■ワンポイント
1日8時間は意識されている経営者の方々
も多いですが、週40時間の法定労働時間
は意識されていないことが多く、
知らずに労基法違反になっているケース
は多いです。
今回は、「1か月単位の変形労働時間制」
でしたが、
・他の変形労働時間制
(例:1年単位の変形労働時間制など)
・休日数を増やす
・始業時刻は変えずに終業時刻を早める
(残業で対応してもらう)
などで解決することもあります。
当事務所は、こういった労務に関する案件
について
豊富な実績がございますので、お気軽にご相談ください。
■お客様情報
警備業 40~50人規模