有期契約社員の無期転換に関するお悩み解決事例

■ご相談内容

3か月ごとに契約更新をして
いる有期契約社員がいます。
 
この有期契約社員が、
今月末で「勤続5年以上」
となります。
 
この場合、次回の契約更新時
に正社員に転換しなければ
ならないのでしょうか?

■ご回答

正社員に転換する必要は
ございません。
 
無期転換ルールを正社員転換
と勘違いされてしまう
パターンですね。
 
 
「無期転換ルール」とは、
 
平成25年4月1日以降に開始
した有期雇用契約が、通算5年
を超えた場合で、
 
労働者の申し込みにより、
期間の定めなし(無期契約)
に転換できるルールです。
 
契約社員やパート、アルバイト
派遣社員などの名称は関係
ありません。
 
 
ポイントは、

①労働者から申し込みが
 あった場合に無期転換
 をしなければならない。

②期間の定めなしへの転換
 であって、正社員転換
 とは言っていない。
 
の2点です。
 
 
今回のご相談のケースでも、
上記の2つのポイントを把握
していなかったため、
 
通算5年以上経ったら、
正社員に転換しなければ
ならない
 
という勘違いにつながって
しまいました。
 
 
■ワンポイント

無期転換ルールは、
正社員に転換する必要は
ございませんが、
 
ご本人が希望した場合は
是非、正社員への転換も
できるといいですね。
 

正社員への転換が難しい
場合には、
 
正社員との役割や責任の
違いがはっきりわかるように
明文化にしておきましょう。
 
同一労働同一賃金の観点
からも、従業員とのトラブル
の原因になります。


なお、無期転換となった
場合の労働条件は、
 
就業規則等で別段の定めが
ある部分を除き、
 
「直前の有期雇用契約
 と同一の労働条件」

となります。
 
 
また、無期転換の申し込み
については、「口頭」でも
有効ですが、
 
後日、申し込みをしたか
どうかの争いがおこるのは
避けたいので、
 
できるだけ「書面」で申し込む
ルールにしたほうが良いです。
 
 
■お客様情報

情報通信業 100~150人規模