通勤災害をおこした社員への対応に関するお悩み解決事例

■ご相談内容

社員が自宅から会社へ自転車で通勤中に
車にぶつけられてしまいました。

症状は、全身打撲で全治2週間ぐらいで
病院の治療代や休業補償については、
相手方の保険で対応するとの事。

会社として、最初の3日間については
休業補償等が必要でしょうか?

また、その他に会社側の手続きとして
何をすればよろしいでしょうか?

■ご回答

結論から申し上げますと、

通勤災害の場合は、最初の3日間
の休業補償は不要です。

また、会社側の手続きとしては、

休業特別支給金(給付基礎日額
の20%)の申請

といった内容となります。

まず、通勤災害の場合は、
業務災害のように最初の3日間に
対しての休業補償は不要です。

次に、会社側の手続きとしては、

①病院の治療代
②休業中の賃金補償
③労災事故の報告

が考えられますが、

通勤災害の場合は、③の労災事故
の報告(労働者死傷病報告の提出)
は不要です。

①の病院の治療代についても、
今回のケースでは、相手方の
保険を使うため不要。

②の休業中の賃金補償について
ですが、本来、労災保険給付
として

・休業給付(60%)
・休業特別支給金(20%)

を申請できますが、今回は、
相手の補償が受けられるため、

・休業給付(60%)

は支給調整のためもらえません。

ただし、

・休業特別支給金(20%)

については、労働福祉事業
として支給されるため、
支給調整の対象になりません。

つまり、相手方の保険から
100%の休業損害の賠償を
受けたとしても、

休業特別支給金(20%)
だけは請求することが
できます。

■ワンポイント

休業特別支給金については、
ご存じない方も多いので、

相手方から休業補償を
受けられる場合であっても

休業特別支給金の請求漏れ
には、注意が必要です。

なお、通勤災害をおこすと
労災保険料が上がるのか?
というご質問も多いですが、

通勤災害の場合は、
労災保険料の増減には
影響しません。

■お客様情報

各種業務請負業 50~100人規模