1年単位の変形労働時間制における時間外労働の上限規制に関するお悩み解決事例
■ご相談内容
当社は、1年単位の変形労働時間制を
採用しています。
・1日実働7時間30分
・年間休日:87日※
※日曜、隔週土曜、夏季と年末年始
36協定届では、
原則:月42時間
特別条項:月80時間(年6回まで)
と定めております。
■お悩み事項
週の所定労働時間は、原則として
下記の2パターンが多いです。
①週37.5時間(週5日勤務)
②週45時間(週6日の勤務)
当社の場合、月42時間と月80時間
を超えないために、どのように
集計すれば良いのでしょうか?
・1日7時間30分?1日8時間?
・週37.5時間?週45時間?
・所定休日、法定休日は??
■ご回答
結論から申し上げますと、
今回のケースでは、
<原則:月42時間の場合>
①1日の法定労働時間(8時間)
を超えた時間
②週の法定労働時間(40時間)
または週45時間を超えた時間
注:①でカウントした時間を除く
・週45時間のシフトの場合
⇒ 週45時間を超えた時間
・週37.5時間のシフトの場合
⇒ 週40時間を超えた時間
③対象期間(1年間)の法定労働
時間総枠※を超えた時間
※40時間×対象期間歴日数(365)
÷7=「2085時間」
注:①または②でカウントした
時間を除く
<特別条項:月80時間>
上記の①~③の時間だけではなく、
「法定休日」の時間数も合計して、
月80時間を守る必要があります。
という集計方法が正解となります。
原則:42時間の場合
⇒ 法定休日はカウントしない
特別条項:月80時間の場合
⇒ 法定休日はカウントする
という違いは気を付けましょう。
■ワンポイント
1年単位の変形労働時間制を採用
されている中小企業の中で、
「上記③の対象期間の法定労働時間
総枠を超えた時間を正しく集計
しています。」
といったところは、正直少ない
のが現実ではないでしょうか?
そのため、私は今回のケースでは
36協定届の時間外労働の上限を
超えないルールとして
下記の集計方法が良いのではと
ご提案させて頂きました。
<原則:月42時間の場合>
①1日の所定労働時間(7.5時間)
を超えた時間
②週の所定労働時間を超えた時間
注:①でカウントした時間を除く
・週45時間のシフト
⇒ 週45時間を超えた時間
・週37.5時間のシフト
⇒ 「週37.5時間」を超えた時間
③対象期間(1年間)の法定労働
時間総枠を超えた時間
⇒ 集計しない。
<特別条項:月80時間>
上記の①~②の時間+「法定休日」
の時間数を合計する。
つまり、年間カレンダーで決めた
「所定労働時間」や「所定労働日」
以外の労働については、
時間外労働の上限時間として
すべて集計していき、
社員のみなさんが月42時間、
月80時間(年6回)を超えない
ように管理をする。
というルールです。
企業側としては、実際よりも多く
割増賃金を支払うことになるリスク
はございますが、
社員の管理の手間や工数などとも
比較して、柔軟なルールを採用
されるのも良いかと思います。
今回のお話しは、かなり複雑なので
文書だけですと伝わりにくいと
いう方もいらっしゃると思います。
御社の実態に照らし合わせて、
ご説明も可能ですので、
気になる場合は、まずはお気軽に
無料相談をご活用ください。
■お客様情報
産業廃棄物処理業 100人~200人規模